発達障がいにまつわる考えかた

発達障害をもつ子供にとって9歳の壁・10歳の壁・小4の壁と乗り越えるポイント

療育先で聞いたことのあった「9歳の壁、10歳の壁、小4の壁について」考えていきたいと思います。

ちょうど相談日だったのでその話も精神科医さんにも聞いてみました。

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9歳の壁と10歳の壁の違い

笑顔のキャンディ

9歳の壁は学習面や言語面の発達において、どうしても越えられない壁が9歳頃にやってくるという意味です。

 

 

10歳の壁とは自己と他者を比べ、自らの存在意義を求め、思考する時期。

いわゆる思春期というものです。

 

 

ということは定型と呼ばれる子供たちより壁が、1回多くなるということですよね。

 

もともと9歳の壁とは障害児教育の場で生まれた言葉で、定型の子どもの「10歳の壁」実は別物なのですね。

 

 

ですので9歳の壁と10歳の壁は別物であり、同時にのりこえてといけない可能性があるということです。

なお9歳の壁の言葉の命名は、東京教育大学付属聾学校長によるものです。

9歳の壁ってなに?

子どもの謎

学習面や言語面、運動面の発達においてぶつかる壁の事を指します。

 

最近では、発達障がいのない子どもでも9歳~10歳ごろに、躓くことも多くなってきているといいます。

 

 

この時期は身体面だけではなく、心も大きく成長するので、どこかでつまづいたときに劣等感を抱いてしまう場合があります。

 

 

劣等感こそが壁をつくるきっかけになるのです。

 

  • 「どう頑張ってもできない」
  • 「なんかみんなと違うかも」
  • 「みんなは出来るのに自分はできない」

 

心に秘めた劣等感はとてもつらいものです。

9歳~10歳の間は、子どもたちはどんな環境や心の変化があるのでしょうか?

子供同士の結束が高まるギャングエイジ年代でもある

子どもの足

小学校3年生から高学年までの年代を「ギャングエイジ」と呼ぶようです。

 

 

この年代になると親と過ごすより、お友達同士で過ごす時間を優先していくようになります。

閉鎖的な仲間グループをつくり、そこの中でのルールや決まり事で遊んだりすることが多くなっていきます。

 

 

この閉鎖的な独自なルールに、ついていくのも難しいときがありますよね。
私が小さい頃の記憶もこの年代から、女子のグループがさらに出来たと覚えています。

 

 

そして、大人が関与できないようにグループで固まってしまうので、その中で起きたことに関してはとても精神的に疲れるものになっていきます。

周りのお友達との違いを認識するようになる

三人の違い
  • 「○○君は頭がいい」
  • 「○○君は走りが早い」
  • 「○○ちゃんはお友達がたくさんいる」

 

などなど。

 

自分とお友達を比較して、どっちが上手いか下手かなど自分との違いを認識するようになると優越感や劣等感が育っていきます。

 

 

今までは自分が中心の世界だったのが、周囲の状況をよく見えるようになります。

そこから周りから自分が、どう見えているかといった評価を気にするようになります。

 

 

コミュニケーションをとってお友達と関わろうとしたりしますが、上手く取れなくて苦しむことも多くなります。

 

また大人が関与できないグループ内であれば、なおさら手助けは入りにくくなります。

9歳の壁にぶつかると、どうなるのか?

壁にぶつかる

上記のような環境の変化から、子どもを取りまく全てが変わっていきます。

9歳~10歳にもなれば習い事などにも、親の付き添いが無くなったりします。

 

 

まさに子供たちの世界が始まって行きます。

その中で壁にぶつかるとどうなっていくのでしょうか。

勉強についていけなくなる

低学年の頃は頑張って勉強についていけていた子供も、小学生3年~4年生になると勉強についていけなくなることがあります。

 

低学年の頃は、目に見えて単純に理解できるようなことや、暗記すれば簡単に答えられることがほとんどです。

 

しかし高学年に差し掛かると、分数や文章問題が多くなり答えを出すには、抽象的思考や論理的思考、応用力が必要になってきます。

 

どこが分からないの?と言われても、分からない所が分からないので勉強のモチベーションが下がってしまい、さらに勉強をしないという悪循環に陥ることになる場合があります。

 

 

・・・と言っても、私もこの頃から数学が大嫌いで「なぜこの公式を使うとこの場所の数値が出るのか?」といったような、覚えなくても理解しなくてもいいようなことが気になってしまって公式を覚えたらいいよ。が通用しなかった子どもでした。

周りに対して劣等感を抱きやすくなる

他のお友達と自分の違いを比べる場面がどんどん出てきます。

自分は自分で在って、他人は他人といったことに気付きだします。

 

 

得意な事、不得意な事もみんな違うんだということも分かってきます。

 

 

そこで他人と自分を比べて、自分の出来ない事が増えてくると、劣等感から自己否定に繋がり自分に対して自信がなくなって、物事に取り掛かる意欲が低下してしまったりします。

 

 

息子は元々、自信があるように見えて比較しては落ち込むタイプです。

 

精神科の先生にもこの9歳までにもっともっと自信を付けてあげるか、これだけは負けないと言ったものを作ってあげるといいかもしれない」アドバイスを頂きました。

 

もしくは「勝ったり負けたりを繰り返して、経験として積み重ねていくといいかもしれないと」教えてくれました。

社会性、共感性が育たなくなる場合もある

この年齢になると、どんどん外に出ていこうとする子どもですが、自分だけの世界や家の世界以上にストレスが増えます。

 

そのストレスの負担が大きすぎると・・・。

 

子ども
子ども
外にいるより自分だけの世界の方が楽だ

 

となってしまい、引きこもってしまう恐れもあります。

こうなると、他の人と上手く付き合っていこうとする社会性や共感性が育たなくなってしまう場合もあります。

9歳の壁を乗り越えるためにはどうしたらいいのか

さんかくの山

親の関わりというのは、今後の子供の成長にも関わってきます。

 

それならば出来るだけ上手にお母さんも付き合っていきたいですよね。

さくら
さくら
5つのポイントを見ていきましょう

勉強の楽しさを経験させる

勉強に躓かないように、親が先走って答えを教えてしまうことがあります。

 

大切なのは、答えなのではなく問題を解く道のりです。

 

発達障害の子供は、高度なことは出来ているのに、初歩的なことが分からないなど勉強面でも凸凹が目立ちます。

 

 

息子で言えば「直角」が分かりませんでした。

何がわからないのかが私には分からなかったのです。

 

三角定規を90°のところが直角で、それで色々と図らせてみても、台形を見せると直角と言います。

 

さくら
さくら
まっすぐな線がくっついてるんやで?

 

子ども
子ども
何で?なんで??なんで??

 

 

これどこが分からないのかと思ったら「直線」が分からなかったみたいです。

 

  • 分度器で0~180°を繋いだら直線
  • 直角は90°

 

うちの息子はこれで納得して、理解をしてくれました。

 

このように「何が分からないのか」をちゃんと解決していってあげないと、いつか絶対に躓くのです。

 

 

答えを教えるのではなく一緒に考えて、子どもの力で答えを導き出せれば達成感にも繋がります。

 

その達成感を親子で共有すればもっと楽しくなりますね。

遊びの中で自主性や自発性を養う

  • これはこう遊ぶべき!
  • これはこうあそぶもの!

 

大人でもそのような考えが浮かびますが、我慢して子どもの自由に遊ばせてみましょう。

これは大人がどうこうでもなく、子ども同士の世界の中でも常識というものが付きまといます。

 

 

息子が色塗りでクマを可愛くしたくてピンクに塗った時のお話です。

その時にお友達から「クマは茶色でピンクは気持ち悪い」と言われて泣いてしまった事があります。

 

 

こうやって、この子の発想力や自由な想像力が、どんどん常識という所に当てはめられていくのだなぁと感じました。

親離れを促す

この時期からは、親よりも友達との遊びを優先するようになります。

 

友達も変わって、今までと違うタイプの子と遊ぶようになったり、反抗しなかった子が反抗するようになったりすることも少なくありません。

 

 

親としては子どもの変化や反抗に驚いてしまって抑えつけてしまいがちですが、そうすると子供が親離れできなくなってしまいます。

 

 

子どもの問題に手を出して間に入ってあげたいと思ってしまいますが、出来るだけ子どもの力を信じて、子ども離れ出来る親になっていきましょう。

自分の力で解決してもらう

問題が出て来た時に親が間に入って全てを解決するのではなく、まずは本人に考えさせたり工夫させたりしましょう。

 

次はどうしようかという打開策も一緒に考えると良いですね!

 

  • 「先に謝るべき」
  • 「それは上手くいかないよね」

 

と口出ししてしまいそうになりますがそれはぐっと我慢。

 

 

勉強でもそうですが、親が何もかも手伝って成長する機会を奪ってしまうと、成長も出来ずに自主性も育ちにくくなります。

 

 

答えを出すより、自分で考えること、どう解決するかが大切であると教えていきましょう。

 

  • 「どうしたい?」
  • 「どうおもう??」

 

と子供の気持ちを優先で、子ども自身が解決できるように促してあげるといいですね。

 

 

しかし、どうしても分からない事もありますので、その場合はこちらがヒントなり、最初の考え方などを伝えて一緒に考えていくといいかもしれません。

 

あなたの判断を尊重するよ。という気持ちを子供に見せていきましょう。

温かい目で見守る

失敗しないように傷つかないようにと、考えて動いてしまいますよね。

 

私もそうです。

 

しかし失敗を知らないで、育つともっと大きくなってから挫折してしまうと、立ち直りにくかったり、逃げてしまう子供になってしまうかもしれません。

 

失敗も大切な経験として、子どもに捉えてもらうように、失敗を乗り越えていける力に変えられるように子どもの1番の味方になって、応援していってあげてください。

大切にしていくのはこちらの心構え

子どもと大人のこころ

発達障害をもつ子供は凸凹している場所が違います。

得意、不得意な所も全く違います。

支援が必要な所も違います。

 

 

この9歳の壁というのは自分と他の人は違うんだと自覚する時期でもありますが、悩む時期でもあります。

 

 

どんなに頑張っても、どうしても埋められないところがあるのであれば、自己肯定感を上げても、それではどうしても無理な時も出てくるのではないかと思います。

 

 

その場合は出来るだけストレスにならないようにしてあげましょう。

  • 休ませる
  • 励ます
  • 子どもの気持ちに寄り添う

 

 

9歳、10歳の子どもを取り巻く環境が変わること、お友達の動きも変わることを頭におい心構えとして、こちらが余裕を持って見守ることが大切ですね。

 

発達障がいの子どものためのタブレット教材はこちら

 

>>苦手な所はさかのぼり学習ができる無学年タブレット教材:すらら<<

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発達障がいグレーゾーンの子どもがいる母親です。 どうにかできないかと奮闘した過去があり 現在は楽しみながら家庭療育や考え方の見直しをしています。 独りで辛かった過去から、今の悩んでいるお母さんの力になれればと思い サイトを立ち上げました。
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