ADHDの傾向がある子どもは、注意をされたり注目を浴びやすいのでストレスがかかりやすいと言われます。
そしてADHDの子どもの50%が二次障害としてこの反抗挑戦性障害があげられます。
ただの反抗期にも間違えられる反抗挑戦性障害ですが、実は二次障害なのです。
反抗挑戦性障害(ODD)は別名反抗挑戦症と呼ばれることもあります。
お母さんには反抗的でお父さんには素直になるといった子どももいます。
目次
反抗挑戦性障害(ODD)ってなに?
- 怒りっぽくイライラしやすい
- 周囲に挑戦的な行動をしたり、口論してしまう
- 意地悪である
このような特徴がありますが4つのタイプに分かれます。
反抗 興奮型
「~しなさい」といったような指示に素直に従う事ができず、無視をしてしまったり「あとで」などと返事はするものの結局やらなかったりします。
「~しなさい」の指示を繰り返すと乱暴な言葉で言い返して来たりします。
このとき大人が怒ったりして責め立てると、さらに興奮して暴言がひどくなったりします。
子どものの中には「指示に従うのが負けだ」といったような気持ちが働く子もいます。
反抗 すね型
なんでもないように見えることですぐに、すねてしまうこと。
「自分にはどうせ出来ないし」とすねてしまうと、課題に取り組めなかったり集団での行動が難しくなります。
衝動性が強い場合が多く、話を聞かずに物事を進めてしまうため失敗することがおおいので、自信をなくしていってしまうのです。
反抗 マイペース型
多動はあるものの好きな物には集中をする子どもです。
集団で遊んだり多人数での共同作業が苦手でもあります。
人の気持ちがわかりにくい傾向も持っています。
反抗 混合型
色々なタイプを混ぜ合わせたタイプですが年齢や成長によって変化してくる場合があります。
タイプ別の対処法
ここでタイプ別の対処法を書いていきます。
しかし、これも子どもの特性に応じて少し変わってくるので目安として見て下さいね。
反抗 興奮型
「~しなさい」といった命令に反応してしまう場合は最初に約束を決めておいて「約束はなんだっけ?」「次は何するんだっけ?」といった声掛けをすると良いです。
思い出させることで子どもは指示に従うのではなく、約束を守るかどうかといったところに焦点があうので反発や興奮をしにくくなります。
また、約束を思い出せない場合は「○○と○○どっちだったかな?」と二者択一にしてあげましょう。
言葉だけで無理な場合は絵カードの併用がいいでしょう。
視覚的にも分かりやすいので子どもにとっても、指示されていると感じることなく選ぶことができます。
そして大人のように段取りよく出来ない場合があるので、その時は大人が段取りを教えてあげる必要があるので、最初のお約束の時点でお母さんがある程度の枠組みを決めてあげましょう。
反抗 すね型
話を聞かずに失敗してしまって自信をなくしていることが多いので、「成功体験」を積み上げることがポイントになります。
休みの日に遊びにいくのであれば、ボール投げをまず3回→5回→8回→10回などといったようにスモールステップで目標を達成させていくと良いでしょう。
このときボールじゃなくても縄跳びでも、走るのでも子どもが出来そうなことであれば何でも大丈夫です。
また家の中であれば小さい頃はプチトマトのへたを、まず3つ取る→5個→8個・・・といったようにどんどん達成感を与えていきます。
また息子ぐらいの年齢であれば子供用の包丁が使えたりしますので、きゅうりなどどれだけ薄く切れるかということに熱中しやすいです。
柔らかいものは切りにくいので、ある程度固い物を選んであげてください。
話を聞かないから間違えるんでしょ?と子どもを叱るのではなく「~したら?こうやって上手くなっていくんだよ。頑張ってるね!上手になってきたね!」などといった声掛けが必要かと思います。
自信がないのと同時に目標を決めていなかったり段階的にすることが分かっていない、結果で評価しがちな所がありますのでそこを丁寧に成功体験に繋げつつ自信を持たせていってあげましょう。
反抗 マイペース型
マイペースの場合、相手の気持ちに気付きにくいといった特性があるので子どもの興味やペースなどを配慮しつつ周りとの間を調節することが大切です。
また、「どう感じたかな」を問いかけてみるのも練習になります。
反抗期との違い
子どもの反抗期はあるあるだと思います。
そのため、反抗期と反抗挑戦性障害を見分けるのがとても難しいのです。
これを見分けるときは反抗的な態度、行動がどれぐらいの期間続いているのか。
どれぐらいの頻度で起こるのかに注目して下さい。
しかし、これだけで反抗挑戦性障害と決まるわけではなく性別や環境などもありますでの、判断が難しく専門家に相談することをお勧めします。
判断基準
A. 怒りっぽく/易怒的な気分、口論好き/挑発的な行動、または執念深さなどの情緒・行動上の様式が少なくとも一人以上の人物とのやりとりにおいて示される。
怒りっぽく/易怒的な気分:
(1)しばしばかんしゃくをおこす
(2)しばしば神経過敏またはいらいらさせられやすい
(3)しばしば怒り、腹を立てる口論好き/挑発的行動:
(4)しばしば権威のある人物や、または子供や青年の場合では大人と、口論する
(5)しばしば権威のある人の要求、または規則に従うことに積極的に反抗または拒否する
(6)しばしば故意に人をいらだたせる
(7)しばしば自分の失敗、または不作法を他人のせいにする執念深さ:
(8)過去6ヶ月に少なくとも2回、意地悪で執念深かったことがある
注:正常範囲の行動を症状とみなされる行動と区別するためには、これらの行動の持続性と頻度が用いられるべきである。5歳未満の子どもでは、ほかに特に記載がない場合、その行動は1週間に1回、少なくとも6ヶ月間にわたって起こっていなければならない(基準A8)。このような頻度の基準は、症状を定義する最小限の頻度を示す指針となるが、一方、その他の要因、たとえばその人の発達水準、性別、文化の基準に照らして、行動が、その頻度と強度で範囲を超えているかどうかについても考慮すべきである。B.その行動上の障害は、その人の身近な環境(例:家族、同世代集団、仕事仲間)で本人や他社の苦痛と関連しているか、または社会的、学業的、職業的、またはほかの重要な領域における機能に否定的な影響を与えている。
C.その行動上の障害は、精神病性障害、物質使用障害、抑うつ障害、または双極性障害の経過中のみ起こるものではない。同様に重篤気分調整相の基準は満たされない。
■ 現在の重症度は
軽度:症状は一つの状況に限局している(例:家庭、学校、仕事、友人関係)
中等度:いくつかの症状が少なくとも二つの状況でみられる
重度:いくつかの症状が三つ以上の状況でみられる出典:https://www.amazon.co.jp/dp/4260019074/
この反抗挑戦性障害を放置して進行していってしまうと行為障害に繋がりやすいと言われています。
この行為障害は治療が難しいと言われています。
行為障害ってなに?
反抗挑戦性障害の問題行動がエスカレートしていき、人や動物などに対する過度な攻撃性や暴力や、重大な規則違反などがみられるなど、いわゆる反抗期ではなく「非行」と呼ばれる部類になります。
ADHD→反抗挑戦性障害→行為障害の経過をたどることを「DBD(破壊的行動障害)マーチ」と呼びます。
この行為障害に繋がるまでに適切な理解のもとで適切な療育、指導、適切な支援がないと治療はとても困難になってしまいます。
312.8 行為障害の診断基準
行為障害の診断基準
A.他者の基本的人権または年齢相応の主要な社会的規範または規則を侵害することが反 復し持続する行動様式で、以下の基準の 3 つ(またはそれ以上)が過去 12 カ月の間に 存在し、基準の少なくとも 1 つは過去 6 カ月のあいだい存在したことによって明らか となる。
人や動物に対する攻撃性
(1) しばしば他人をいじめ、脅迫し、威嚇する。
(2) しばしば取っ組み合いの喧嘩をはじめる。
(3) 他人に重大な身体的危害を与えるような武器を使用したことがある。(例えば、 バット、煉瓦、割れた瓶、小刀、銃)。
(4) 人に対して身体的に残酷であったことがある。
(5) 動物に対して身体的に残酷であったことがある。
(6) 被害者に面と向かって行う盗みをしたことがある(例えば、背後から襲う強盗、 ひったくり、強奪、武器をつかっての強盗)。
(7) 性行為を強いたことがある。
所有物の破壊
(8) 重大な損害を与えるために故意に放火したことがある。
(9) 故意に他人の所有物を破壊したことがある(放火による以外で)。 嘘をつくととや窃盗
(10)他人の住居、建造物または車に侵入したことがある。
(11)物や好意を得たり、または義務をのがれるためにしばしば嘘をつく(すなわち、 他人を“だます”)。
(12)被害者と面と向かうことなく、多少価値のある物品を盗んだことがある(例:万 引き、ただし破壊や侵入のないもの、偽造)。
重大な規則違反
(13) 13 歳以前からはじまり親の禁止にもかかわらず、しばしば夜遅く外出する。
(14) 親または親代わりの人の家に住み、一晩中、家を空けたことが少なくとも 2 回 あった(または、長期にわたって家に帰らないことが 1 回)。
(15) 13 歳以前からはじまりしばしば学校を怠ける。
B.この行動の障害が社会的、学業的、または職業的機能に臨床的に著しい障害を引き起 こしている。
C.その者が 18 歳以上の場合、反社会的人格障害の基準を満たさない。
> 発症年齢によって病型を特定せよ:
小児期発症型 10 歳になるまでに行為障害に特徴的な基準の少なくとも 1 つが発症。
青年期発症型 10 歳になるまでに行為障害に特徴的な基準は全くみとめられない。
> 重症度を特定せよ:
軽症 行為の問題があったとしても、診断を下すのに必要である項目数以上に余分はほと んどなく、および行為の問題が他人に比較的軽微な害しか与えていない(例:嘘をつく、 怠学、許しを得ずに夜も外出する)。
中等症 行為の問題の数および他者への影響が“軽症”と“重症”の中間である(例:被 害者に面と向かうことなく盗みをする、破壊行為)。
重度 診断を下すのに必要な項目数以上に多数の行為の問題があるか、または行為の問題 が他者に対して相当な危害を与えている(例:性行為の強制、身体的残酷さ、武器の使 用、被害者の面前での盗み、破壊と侵入)。
引用:https://www.nise.go.jp/kenshuka/josa/kankobutsu/pub_b/b-208/b-208_03.pdf
このような行為障害になるまえに改善や適切な支援をしてあげてください。
反抗挑戦障害に有効な治療
- ペアレントトレーニング
- 社会技術訓練
- 認知的技能訓練
- ADHDに対する薬物投与
- 療育
などといった医療だけではなく福祉や教育分野などに頼るのがいいでしょう。
なんか反抗期が長いなぁ、えらくきつい反抗期だなぁと感じたら専門機関に相談してほしいと思います。
我が家の息子も思春期にはいるまでに、親子の基礎をつくろうとペアレントトレーニングを行っています。
どちらかというと反抗(すね型)の傾向があると感じています。
話を最後まで聞けばいいのに衝動的に始めてしまって、失敗するのは本当にあるあるなのです。
失敗体験が多い分、自分がすることに自信がもてなくて不安の中、何事もやっているのだと思います。
また、マイペース型でもあるので好きな事にはとても集中します。
これはADHDの傾向にも入っている事ですので、反抗挑戦性障害とは限りませんので注意してみています。
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