朝、起こしても起こしてもどうしても起きられない。
と毎日怒ってしまう。
なまけていると思っていても、もしかしたら、それ違うかもしれません。
夜更かししているから朝起きれないのに!!
何回起こしても起こしてもまったく起きる気配がない。
返事だけはするけれど・・・起きてこない!!
イライラしてしまいますよね。
学校に行きたくないからとか、朝起きたくないとか、なまけてるだけだとか思ってしまっても仕方ないかもしれません。
でももしかしたら、困っているのは子ども本人かもしれません。
目次
起立性調節障害とは?
これは自律神経系の異常で起こると言われていて、循環器系の調節が上手くできなくなる病気です。
起きようと立ち上がった時に血圧が低下して、めまいや、立ちくらみがあったり、気持ち悪くなってしまったり心拍数が上がりすぎて、動機や息切れをしてしまったりと瞬時に調節が出来ずに時間がかかってしまいます。
大人でも立ちくらみでめまいがあれば「おっとっと。。。」と何処かに寄り掛かったり最悪、倒れたりしてしまいますよね。
身体のどこかが悪いという訳ではなく、自律神経の原因が主だと言われていますのでパッと見、元気そうな場合があるので親としては「なまけている」と思いがちです。
この疾患は小学校高学年(約5%)から中学生(約10%)に多くみられると言い、高校生でもなるお子さんはいらっしゃいます。
なぜかというと、この時期は成長期との兼ね合いもあり、身体も心も変化をしていく時期にあたります。
また原因としては身体のリズムがずれている事で、午前中の交感神経活動が活性化しずらく、夜は寝つきが悪くなるといったことも言われています。
夜寝ないから、朝起きれないのよ!!と言いたくなるところですが、もしかしたら、こういった原因があるかもしれませんね。
真面目で気を使うタイプの子供がなりやすいと言われていますが、知らず知らずにストレスをためやすい性格ともとれますね。
この疾患の典型的な症状としては
- 立ちくらみ、めまい
- 疲れやすい
- 長時間立つことが難しい
- 動悸、息切れ
- 睡眠障害
- 食欲不振
- 腹痛
- 頭痛
などもあります。
朝、起きることが難しいことから、不登校にも繋がりやすいというデータもあります。
起立性調節障害の4つのタイプ
タイプが4種類あります。
順番に見ていきましょう。
1、起立直後性低血圧
このタイプが一番多いというデータがあります。
起き上がった直後に、血圧が低下し回復するのに時間がかかるタイプ。
めまいや、強いたちくらみの原因にもなります。
頻脈も伴う事も多い。
2、体位性頻脈症候群
血圧が上がったり下がったりは無いけれど、心拍数が上がったままのタイプ。
動悸、息切れの原因にもなります。
3、神経調節性失神
起き上がった時に急激な血圧低下によって、いきなり失神してしまうタイプ。
顔面蒼白や冷や汗が前駆症状として出る場合もある。
4、遷延性起立性低血圧
たち続けることにより、徐々に血圧が低下して失神してしまうタイプ。
昔、全校集会の時に突然倒れてしまうお友達などを見たことがありますか?
このタイプが、そういったタイプだと言えます。
診断方法は?
1)立ちくらみ、失神、気分不良、朝起床困難、頭痛、腹痛、動悸、午前中に調子が悪く午後に回復する、食欲不振、車酔い、顔色が悪いなどのうち、3つ以上、あるいは2つ以上でも症状が強ければ起立性調節障害を疑います。
2)鉄欠乏性貧血、心疾患、てんかんなどの神経疾患、副腎、甲状腺など内分泌疾患など、基礎疾患を除外します。
3)新起立試験を実施し、以下のサブタイプを判定します。
(1) 起立直後性低血圧(軽症型、重症型) (2) 体位性頻脈症候群 (3) 血管迷走神経性失神 (4) 遷延性起立性低血圧 (近年、脳血流低下型、高反応型など新しいサブタイプが報告されているが、診断のためには特殊な装置を必要とする。)
4)検査結果と日常生活状況の両面から重症度を判定する(ガイドラインを参照)
5)「心身症としてのOD」チェックリスト(ガイドラインを参照)を行い、心理社会的関与を評価する。引用:http://www.jisinsin.jp/detail/01-tanaka.htm
この診断については特殊な検査が必要なため、自己判断ではなく必ず病院にかかり診断をしてもらってください。
起立性調節障害の治療法は?
比較的軽度な場合は、生活習慣を変えていくと改善するという報告もありますので、試してみてもいいかもしれません。
1、運動療法
・毎日、30分ほどの散歩を習慣にする。
・心拍数が120を超えない程度の運動もいい。
2、振る舞い
・いきなり立ち上がらず、ゆっくりと動作を行う。
・歩行開始時、立ち上がり開始時、頭の位置を下げておけば失神の予防が出来る。
・止まった状態での立つ姿勢の維持は2分以上続けない。
続ける場合は足をクロスさせたり、足踏みをしたりして止まった状態を防ぐ。
3、規則正しい生活
・夜更かし、朝寝坊は出来るだけやめる。
お昼寝をしない。
これは難しく親が強要してしまうと、余計にストレスになることもあるので、子どもの様子にあわせていくことが大切かと思います。
4、暑い場所は避ける
・暑い場所では末梢血管は拡張して、発汗によって脱水を起こしやすく、血圧が低下することがあるのでお風呂などは短時間にするといい。
特に梅雨や、夏場は注意する。
5、食事
・水分が足りていない子供が多いとされており、1日に1.5リットル~2リットルの水分を摂取すること。
また、塩分は多めに取る。
6、ストレス
・ストレスに注意してあげる。
(後で記載)
薬物療法
まず、生活習慣を変えてからそれでも改善がみられない時は、薬物が処方される場合があります。
どのような薬の処方かはその子供の状態によって変わりますので、必ず診断を受けて下さいね。
ストレスについて
生活改善の項目でもあったストレスについてですが、やはり親としても
- 「夜遅く起きて朝起きない」
- 「朝起きれないから学校に行けない」
- 「学校に行きたくないから起きてこない」
などと子供を責めてしまいがちです。
しかし、この病気は本人もどうしようもない病気なのです。
学校の先生にも立っている時にフラフラしているとか、まじめに学校に来ないなど子供も、お母さんも注意を受けることもあるでしょう。
もし、病院に行き起立性調節障害だと診断された場合、学校とも話をして学校と家庭でサポートしていくのがいいでしょう。
子どもをただ叱るだけではなく原因はなになのか。
ストレスがあるのだろうかと探ってあげるのもいいと思いますよ。
サプリメントの効果
日本小児心身医学会のホームページには2018年1月の時点で、改善するサプリメントは存在しないと考えると記載があります。
もし、どこかのサプリメントをお考えの場合注意して下さいね。
お母さんもあまり頑張りすぎない
- なまけているだけかもしれない。
- 学校が嫌なだけかもしれない。
- この子はしっかりしてない。
- 勉強もしないで遊んでばっかり。
こんな風にお母さんだって思うのも疲れてしまいますよね。
思いたくて思っているお母さんなんていないはずです。
もし、朝どうしても起きれなくて困っている。
子どもが朝立ちくらみや、起き上がることが出来ないと言ってきたときに「そんなわけないでしょ!時間立てば大丈夫だから!!」と突っぱねてしまうと、子どもも言うのを止めてしまうかもしれません。
その前に、病院に行き事情を説明して、検査をしてもらいハッキリとさせることで、お母さんもあまりイライラしないですむかもしれません。
病院は小児科、総合病院で見てもらえますが、まだ風邪のようにお医者さん全員が周知している訳ではないので朝起きれなくて起立性調節障害を心配してます。と一言そえるのも良いかと思います。
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